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新しい喫食提案 かりんとう&芋けんぴとワインのマリアージュ

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本記事は㈱フードニュース、㈱山星屋のオウンドメディア「お菓子と、わたし」、国分グループ本社㈱の同「ぐるっぱ」の合同企画です。ライターウジリィが選定委員会のメンバーとして参加しており、3社からお菓子とお酒の相性について様々な観点からご提案出来ればと考えています。なお内容についてはフードニュース社HPからの転載となります。フードニュース社HP:https://foodnews-inc.jp/

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ワインとの好マリアージュ続出!可能性秘めるかりんとう&芋けんぴ


従来の“セオリー”に囚われず、お菓子とワインの新しい組み合わせを探っていく不定期連載企画の3回目。今回、市場のデータで「焼き菓子カテゴリーの中で健闘している」(山星屋調べ)、
かりんとうと芋けんぴとワインのマリアージュを試してみた。伝統的な味わいのものはもちろん、ミルクやピーナッツ、ミックス系商品まで、幅広く取り揃えたかりんとうや芋けんぴとワインの組み合わせは、予想を大幅に上回る好マリアージュに、「お菓子と、わたし」(㈱山星屋)や「ぐるっぱ」(国分グループ本社㈱)の担当者も、うれしい驚きの連続。飲食店への新たな提案など、可能性が感じられる結果にポジティブな発言が続出、沸き立つ座談会になった。

お菓子とワインのマリアージュ選定委員の紹介


Y(山星屋代表):「お菓子と、わたし」編集部 兼 ライター

K(国分グループ本社代表):酒類全般&チェアリング愛好家。日本ソムリエ協会(J.S.A.)ソムリエ/SAKE DIPLOMA

F(フードニュース代表):弊誌編集部。ワイン&音楽愛好家。日本ソムリエ協会(J.S.A.)ワインエキスパート、J.S.A.ワイン検定ブロンズクラス・シルバークラス認定講師

今回用意した「かりんとう&芋けんぴ」のご紹介

今回、集められたかりんとうと芋けんぴ。伝統的な味わいや新しいフレーバー、カリカリした歯ごたえからソフトな食感まで、幅広い9種類。


■かりんとう&芋けんぴ
01.北海揚(黒糖味)(オタル製菓) 02.ミックスかりんとう 03.黒糖とミルクのかりんとう(以上、三幸製菓) 04.あん入り黒蜜かわらけかりんとう(千葉恵製菓) 05.蜂蜜かりんとう<黒蜂>(東京カリント) 06.日本橋錦豊琳監修黒かりんとう(モントワール) 07.極上ピーナッツかりんとう(山脇製菓) 08.水車亭 塩けんぴ(モントワール) 09.土佐の芋けんぴ(横山食品)

今回用意した「ワイン」のご紹介


今回、かりんとう&芋けんぴとのマリアージュを試した5本のワイン。
左から、A ライマット クラモール オーガニック ブランコ(白)、B ロシュ・マゼ メルロー (ロゼ)、C リンデマンズ カワラ シラーズ・カベルネ(赤)、D アポシック・メルロー(赤)、E アンデシータ カベルネ・ソーヴィニヨン(赤)

A ライマット クラモール オーガニック ブランコ(白)
スペイン アルコール度12.5%
ライムなどの柑橘系、マンゴーなどのトロピカルな香りと余韻を感じる、シャルドネ種主体の辛口オーガニックワイン。ヴィーガンにも対応

B ロシュ・マゼ メルロー (ロゼ)
フランス アルコール度12.5%
黒ブドウのメルロー種で造られた、濃いピンク色とフルーティーなアロマが印象的な、やや辛口。ピンクペッパーやオレンジピールのスパイシーさも感じさせ、心地好い飲み口を楽しませてくれる

C リンデマンズ カワラ シラーズ・カベルネ(赤)
オーストラリア アルコール度14%
ベリー系果実の風味に、ヴァニラやミントのニュアンスが重なるミディアムボディ。タンニンがやわらかく飲み疲れしない“ほっこりワイン”

D アポシック・メルロー(赤)
アメリカ(カリフォルニア) アルコール度13.5%
メルロー種の個性である豊かな肉付きが感じられるフルボディ。濃厚な果実味とビロードのように滑らかなタンニンが、エレガントさを醸し出す

E アンデシータ カベルネ・ソーヴィニヨン(赤)
チリ アルコール度13%
南米産らしい、深い赤系果実の香りと、ほのかなスパイスや甘いジャムのニュアンスが絶妙に混じり合うフルボディ。優雅な余韻が長く続く

全員NGマリアージュなしの好相性 ワイン×かりんとうのポイントは食感?


F:8月号以来となる3回目は「かりんとう&芋けんぴ」をテーマにマリアージュを試したいと思います。今回は伝統的な味わいの商品からミルク味、ピーナッツ味、さらにはミックス系商品まで9種類を厳選しました。合わせるワインは地中海地域のスペイン産オーガニック白ワイン、南仏のフードフレンドリーなロゼ、そして産地、ブドウ品種、ボディが異なるニューワールドの赤ワイン3種の計5本という、絶妙なラインアップ。和菓子の売上が伸び悩む中で、かなり実績を積み上げているかりんとうと芋けんぴですが、今回のマリアージュに関して、みなさんはどんな印象を抱かれましたでしょうか。

Y:今回は違和感のある組み合わせがまったくなく、意外なほどかりんとうに合うので、楽しめました。そのなかでもロゼ(B)が何にでも合う印象が強く、特に「黒糖とミルクのかりんとう」(03)との相性は、今回のベスト・マリアージュだと思いました。
ほかには「日本橋錦豊琳監修黒かりんとう」(06)がすべてのワインと合わせやすくて、黒かりんとうがすべて○だった中でも最も合い、スムーズに食べ進められた印象です。また、(B)は「水車亭 塩けんぴ」(08)との合わせも印象的で、このワインに感じる塩味と(08)の塩味が重なりながら、ほどよい甘味も感じられ、口の中で違和感なくまとまりました。

K:まず、NGが1つもなかったことが印象的で、今まで3回のうちで最もフィット感が高かったと思います。イチオシとしては、シャルドネ系白(A)と「ミックスかりんとう」(02)、「黒糖とミルクのかりんとう」(03)、「蜂蜜かりんとう<黒蜂>」(05)と、カベルネ・ソーヴィニヨン種で造られた赤(E)と(03)の組み合わせで、どれも心地好かった。特にミルク味のかりんとうと白(A)の組み合わせがバツグンで、ワインに含まれる乳酸との相性がいいのかなと想像してみたり。また(02)の軽い食感は、スナック菓子のようにサクサクしてもたつかず、口どけもよくて感激しました。

F:私も今回はNGが1つもなかったので、とても幸せなマリアージュ体験ができました。また、初めての組み合わせだったので、新しい発見がいくつもあって驚きました。印象としては白(A)がどのかりんとうとも合い、ワインの懐の深さを実感させてくれたし、予想通り(C)(D)(E)の赤ワインと(03)(04)(06)の黒糖系かりんとうは無理なく合わせられたので、とても充実したマリアージュでした。
でも、個人的なイチオシは(A)の白と「極上ピーナッツかりんとう」(07)で、軽いナッツ感が白ワインと非常に合うなと感じました。このかりんとうは、食感がかなりサクサクして乾いている感じですが、口の中で砕けたときにワインがしみ込んで馴染んでいく感じが心地好く、そのときに広がるナッツの香りがとても好きでした。
そこで今回、最大の発見だったのは「食感」がポイントだったこと。サクッとしたスナック感覚の軽いものから、しっとりした重めのものまでありますが、かりんとうを噛んだときに、どのようにほぐれるか。そして、どのようにワインの液体と馴染んでいくかという、口どけが印象を左右する。口の中でいろいろな“ドラマ”が展開されるなというのが、いちばんの感想です。

Y:今までも甘い菓子とのマリアージュを試してきましたが、かりんとうがこんなに合うのは、やはり口どけが関係しているからだと思います。

K:口の中でシュワッて感じで液体に馴染む、独特の感覚ですね。

F:確かに、口の中でほろほろ崩れながらワインがしみ込んでいく感覚が心地好いですよね。そういう意味では、かりんとうの口どけ感は、ほかの菓子と違って、独特なのでしょうか。

K:そうかもしれません。クッキーや煎餅だと、もっと口の中の水分を持っていかれるけど、かりんとうはそれほどでもないので。

Y:やはり、コクの部分が、ほかの菓子とは違う感じなのでしょうか。

K:多分、料理的というか……。それこそ煮物とか角煮に通じるようなコクを感じるので。旨味を感じさせるコクであり、甘さなのかもしれません。

バルやワインバーへの提案に可能性外国人観光客にブレイクの予感も


F:今回、かりんとうとワインはかなり好相性なことを、みなさんも実感されていますが、このマリアージュはどんなシチュエーションで楽しみたいと思いますか。

Y:肩肘を張らなくていいマリアージュなので、仕事が終わってからの夜の時間帯、まったりした気分に浸りたいときに、こたつに入りながら楽しみたいです。そのまま寝ちゃいそうなので、寝る準備をしてから。

K:足元が暖まるとくつろげるので、お酒も菓子もおいしいですよね。

F:やはり、甘い菓子って、そういうくつろぎや幸せな気分を引き寄せてくれる感じがしますが、今回はそれを強く実感しましたし、ワインのアルコールも合わさって、リラックス感が広がっていく感覚がありますね。そういう意味では”秋の夜長”や寒い冬の夜を暖かくしながら過ごすには、もってこいの組み合わせかもしれません。

K:思い返してみると、飲食店などでワインを飲むときに、あまり甘いものが出てきた記憶がなく、チーズやサラミのような塩味主体のものが多い。でも、そこにミルク味や黒糖系のかりんとうが3本くらい添えられていて、赤ワインと一緒にどうぞ……というような提案があってもいいなと思います。最近は小分けになっている商品もあるので、使い勝手がいいですし。メーカー側からの提案として現実的だと思います。立ち飲み系のカジュアルなバルとか、ちょい飲みのワインバーなどはポテンシャルがありそうなので、積極的に売り込んでいただきたい。

F:今はまだ、そういう提案をしているお店がほとんどないので、実際にやってみたら飲食店としてのビジネスチャンスが広がりそうですね。

K:それから百貨店の隅や駅チカにあるイートインコーナーのような場所にも可能性があるような気がします。メーカーや卸商社としては“新しい売上”に繋がるはずなので、真剣に提案していいと思います。また、かりんとうや芋けんぴは日本の伝統菓子なので、これからインバウンドの外国人観光客が戻って来たら、彼らに提案してみるのもおもしろいのではないかと思いますね。ブレイクする予感があります。

F:意外にも、今回のかりんとうと芋けんぴの提案は、チーズやサラミとのマリアージュに負けないくらいピッタリという結論になりましたね。

K:正直、ここまで合うとは思いませんでしたが、実際に素晴らしいマリアージュが多かったので、自信を持って提案していいと思います。

F:今回は今まで想像したことない新しい組み合わせの発見があり、豊潤な結果になりました。次回も楽しみです。