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【魅惑の椎茸の世界】第1回 原木椎茸と菌床椎茸の違い

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江戸時代から栽培されるなど、長い歴史を持ち、人々に愛され続けている食材の椎茸。ただ椎茸はとっても奥が深い食材なのです。本連載では種類、栽培方法、栄養価値、減塩効果など様々な角度から椎茸の持つ魅力をお伝えいたします。皆さんも知識を身につけて椎茸マニアになりませんか?

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食品

原木椎茸と菌床椎茸のちがい

まずは「原木椎茸と菌床椎茸のちがい」について確認します。
それぞれの特徴は以下の通りです。

原木椎茸(自然栽培)
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①培養:コナラ、クヌギ等の天然原木に植菌し、山林内で2年間培養
②発生:原木の養分を分解しながら4年間椎茸が発生
③生産:個人農家の生産が多く、天候の影響を受けやすく安定生産が難しい
④傘部:身が締まっているため、食感が良く香りが強い
⑤足部:短く先端に木皮のついた石突きが有
⑥流通:山間部で生産されるため、生椎茸は産地近辺のみで、殆どは乾椎茸として流通する
⑦水戻り:乾椎茸は5~6倍に膨らむ

菌床椎茸(人工栽培)
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①培養:オガクズ、フスマ、糖蜜を混ぜた菌床に植菌し、栽培施設内で4ヶ月間培養
②発生:菌床の養分を分解しながら2ヶ月椎茸が発生
③生産:農協団体及び企業にて室内生産されるため、安定生産が可能
④傘部:水分が多く柔らかく、香りが弱い
⑤足部:原木に比べ長く柔らかい
⑥流通:都市部近郊で計画生産が可能のため、菌床栽培の殆どは生椎茸で流通する
⑦水戻り:乾椎茸は4~5倍に膨らむ

ご理解出来ましたでしょうか?次にそれぞれの栽培方法について詳しく見ていきます。

原木椎茸の栽培方法

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1)原木の伐採(11月)

原木となるクヌギやコナラ広葉樹などを11月中旬に伐採し、葉をつけたまま枯らします。

2)原木の玉切り(1月)
伐採してから2ヶ月後に、80~100cm程度に切断(玉切り)します。

3)植菌(1~3月)
玉切った原木に電気ドリルで植え穴をあけ、種駒を接種します。

4)原木の伏せ込み(2年間)
種駒を接種した原木は、椎茸菌糸が伸びやすいように、直射日光が当たらないようにし、風通しの良い所に伏せ込みます。

5)ホダ起こし
原木を伏せ込んで2夏を経過後の秋に、椎茸の発生に適した場所(ホダ場)に移します。

6)椎茸の発生と採取(2回/年)
ホダ場にて春に発生する椎茸を春子といい、年間の役8割はこの時期にとれます。残りの2割は秋に収穫されるため、秋子と呼ばれます。

7)乾燥
エビラ(専用の網)に並べ専用の乾燥機に35~60度にて8時間~24時間乾燥させます。

補足:原木椎茸は同じ原木で4年間収穫できます。収穫比率は1年目4割。2年目3割、3年目2割、4年目1割となります。

菌床椎茸の栽培方法

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1)原料撹拌し専用袋に装填
おがくずやフスマ、糖蜜等を撹拌する専用の袋に装填します。

2)殺菌~植菌
装填した菌床内の雑菌を加熱又は高圧にて殺菌を行い、無菌にした菌床に、椎茸の菌を植菌後、密封します。

3)培養(3~4ヶ月)
温度と湿度を調整した培養室にて3~4ヶ月培養を行います。

4)発生操作
培養が終わった菌床を開封し、専用の発生室にて散水を行う事で刺激を与え、椎茸の発生操作を行います。

5)栽培~収穫(2~3ヶ月)
光と温度、湿度を管理し2~3ヶ月の間、椎茸を収穫します。

6)乾燥
エビラ(専用の網)に並べ専用の乾燥機に35~60度にて8時間~24時間乾燥させます。

補足:国産菌床椎茸は97%が生鮮で消費され乾燥されるのは全体の3%弱となります。

まとめ

連載第1回目は「原木椎茸と菌床椎茸の違い」を取り上げました。この記事をきっかけに椎茸について興味を抱いていただけたら幸いです。ぐるっぱ事務局では今後も椎茸の世界を皆さまに知っていただくための記事を掲載していく予定です。次回もお楽しみに!

本記事の転載元・引用元について

本連載は、ぐるっぱを運営する国分グループ本社株式会社の関連会社である「王将椎茸株式会社」のホームページ内に掲載されている記事を転載・引用しております。
商品紹介の他、椎茸を活用したレシピ紹介なども掲載されておりますのでぜひ覗いてみてくださいね!

https://www.ousyou-shiitake.jp/